<手を肩より上に挙げると痛い パーカッショ二スト 20代男性>
 
1月にライブ会場へ出張施術した際の症例です。
 
右手を水平よりも上にあげると痛い、前からあげるのと横からあげるのが痛く、後ろには痛くないとのことでした。
この二ヵ月ほど痛くて無理して演奏しているそう。
 
前から腕を上げる(背中側の筋肉が引っ張られる)と痛くなり、後ろに回す(背中側の筋肉を緩める)方向では痛くないので、
背中の大きな筋肉の広背筋の柔軟性が落ちていることが傷みの発生源と推測しました。
 ※広背筋
 
付着部の上腕部と腰部を押圧すると痛く、また固く柔軟性が落ちていました。
広背筋の拮抗筋である僧帽筋と三角筋を含むアナトミーラインの1つである、
スーパーフィシャルバックアームラインにも柔軟性がなくなっていると推測し、
肘の位置(近位橈尺関節)の捻れを取り可動性をつけていくと、動きは良くなりました。
 
続けて、中学生の時から右ふくらはぎ周囲に違和感があるとのことで診て欲しいとのことでした。
アームラインは色々な身体を走るラインと繋がっています。
右ふくらはぎ周囲の違和感は先程の肩の痛みにも影響を与えていると思い、
足首を確認したところ距骨という骨に動きが少なく、爪先を上手く持ち上げられないようでした。
足裏を確認すると捻挫の跡がありました。
中学生の頃、大きな捻挫をしたが、しばらくしたら腫れも痛みも引いたので特に処置はしていないとのこと。
捻挫の処置をして、スーパーフィシャルバックラインを緩めました。
※スーパーフィシャルバックライン
そうすると、ふくらはぎの違和感がなくなっただけでなく、肩の違和感もなくなったそうで、
ずっとあった違和感と痛みが取れて演奏出来ましたと、ライブ後に笑顔でお礼をいただきました。
 
不調の原因を探ると、過去の捻挫に起因した方がたくさん来られています。
 
症状が気にならなくなってからも、月に1回程度、体のバランスを整える意味で定期的に施術を受けられると、
再び症状を繰り返さない体質に改善されますのでお勧めいたします。
2019年3月