<正座が出来ない 60代女性>


かれこれ1年ほど通っていただいている方ですが、
初めていらっしゃった時は、足の裏が歩くと痛いと言われて見えられました。

後ろから追突される交通事故をされていて、足の裏だけではなく、
首や肩、腰、膝と痛い場所はたくさんありました。


右膝を深く屈曲させると大腿直筋が突っ張って痛い、
正座は膝が曲がらず痛みがあるので横坐りになってしまう、
伏臥位(うつぶせ)で股関節の屈曲、外転(カエル足)をしようとすると鼠蹊部が痛いという状況が続いていました。

事故の際にブレーキを踏んでいたので、右足、特に足関節、膝関節、股関節、仙腸関節に衝撃が入っていると推測して、
この四関節の可動制限解除を主に、全身調整をしていきました。

 

足関節の可動範囲が広くなってくると、鼠蹊部、股関節の可動範囲も広がって来ました。
ですが、膝関節は充分に屈曲出来ず、曲げると上体を捻って痛みを逃がそうとします。

 

均整法では、膝関節の動きは腰椎3番を調整しておきなさい、と言われています。
腰椎を確認すると、3番だけでなく2番から下が一つの椎骨のように固くなり、動きがありません。

根気よく通っていただいて、少しずつですが可動範囲を広げ、
軽く走ることも出来たと報告を受けていたのですが、やはり膝の可動範囲が広がりません。

 

足関節、股関節のだいぶ動きが良くなって来ましたので、
大転子周りの外旋六筋と環跳というツボを中心に調整(腰痛の方に使います)を数回にわたり行っていくと、
膝の可動範囲が広くなって来ました。

 

伏臥位(うつぶせ)の状態で、膝を曲げてもお尻に踵がつくようになり、
この時も1年半ぶりにくっついたと喜ばれていましたが、
その後も外旋六筋と環跳の調整を加えて行い充分に柔軟性もついたところで、正座をしてもらいました。

 

伏臥位でお尻に踵がついて十分な可動範囲があっても、曲げると痛いという恐怖心があり、
正座の形をとることを怖がって、なかなか正座になろうとしませんでしたが、
大丈夫だからと声をかけると、意を決して正座をされました。
一度座ってみると、確認するように何度も正座をされていました。

 

お仕事柄、正座をされる場面が多いそうなのですが、交通事故の後は正座が出来ないため、
椅子を用意してもらっていたそうで、またそれが心苦しく感じるところもあったようで、
1年半ぶりに正座が出来たことを大変喜ばれました。

 

私も、お客様に喜んでいただき、ありがとうと笑顔を頂けると、
この為に施術してるんだよなぁと、とても嬉しい気持ちになりました。

2018年10月